こいつに私怨がないといえば嘘だ。むしろ、憎むべき相手だ。私に嘘の情報を流し、全てを台無しにした。しかし、今の私は違う。彼からの依頼でこいつを追い詰めたのだ。サイトタグ:短編 ショートショート #365日ショートショート
「このまま死ぬか。さもなくば、お前たちの里の場所を教えろ」。首を絞められた初老の男は、青白い顔で眼をぐるりと剥いたまま、小さく唸った。「馬鹿、め。お前は、なに、も、分かって、いない」サイトタグ:短編 ショートショート #365日ショートショート
「ええ、まあ、ある意味そうと言えるでしょう。カラオケの楽曲を選ぶ際、辞書よりも分厚い本をぺらぺらとめくり、お目当ての曲を探し、そのコードをリモコンに入力するのが一般的です。しかし、この新開発の筐体なら……」サイトタグ:短編 ショートショート #365日ショートショート
「もう、よせ。世間がそれを求めちゃあいねぇよ」株式会社西宝映画制作。老舗の映画会社の正門で、初老の男を若い女性が追いかけていた。サイトタグ:短編 ショートショート #365日ショートショート
全人類が森羅万象と未来を自在に予知できるようになった。指名手配中の強盗犯は思った。「警察の追跡ルートを予知すれば絶対に逃げられる……サイトタグ:短編 ショートショート #365日ショートショート
男は苛立っていた。興奮からか、足が細かく上下している。女は憂いた表情をしており、男と目を合わせない。「君と初めて会った時から、この思いは変わらない。ずっと君だけを思ってるよ。サイトタグ:短編 ショートショート #365日ショートショート
「もうやめて。こうなったら専門家を呼ぶから」女は語気を強めた。大学を卒業して以来、久しぶりの集まりだというのに。まさか、焼き鳥の食べ方ひとつで揉めるなんて。こんなくだらない人達だったなんて、知らなかったわ。サイトタグ:短編 ショートショート #365日ショートショート KAC20226
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万病に効き、栄養をバランスよく摂取できる錠剤は、もはや人類にとって必要不可欠となっていた。味を楽しむという概念そのものが、忘れ去られたのである。「それでは、新たな感知能力を決める会議を始める」総会ホールに、国際連合事務総長キャサリン・ヒメディの声が響いた。サイトタグ:短編 ショートショート #365日ショートショート KAC20223
「明日、それは東京を壊滅させます。人智を超えた質量を持ち、海の底に姿を現すのです。あまりに大きいため、我々には海が膨らんだように見えるかもしれません。やがて、その怪獣が海底で足踏みをします。……ずしん。……ずしん。東京は脆くも崩れ去るでしょう。残念です、平和な都市が明日で終わりを告げるなんて」サイトタグ:短編 ショートショート #365日ショートショート 怪獣
声が聞こえ、男は足を止めた。はて、幻聴だろうか。「幻聴ではない。こちらを向くのじゃ」生い茂る木々の上から、髭を生やした老人が降りてきた。白くて長い髭。服も白い着流し。頭の上には輝く光輪。全ての記号が、死者を意味していた。「なんだお前は。俺は今、忙しいんだぞ」サイトタグ:短編 ショートショート #365日ショートショート
「もちろん見たわよ。どこに行っても、その話で持ち切りじゃない」街はずれの喫茶店。女子大学生の2人組は他愛のない時間を過ごしていた。珈琲の香りが漂う中、ベストを着こなした初老のマスターがカップを差し出す。サイトタグ:短編 ショートショート #365日ショートショート
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